良い窯には良い土を!!
〜DVD−Rの焼け具合と焼き込み速度〜

マックメムGMのしらいしです.

いつも,マックメムDVD−Rメディアをお使いいただきましてありがとうございます.よくお客様からの質問で,DVD−Rの品質や焼き込み速度につきましてご質問をいただきますので,この機会に簡単にご説明をしてみたいと思います.

CD−RやDVD−Rの焼き込みはまさに陶芸の窯と土の関係に似ていると言えます.良い窯があっても良い土が無ければ最高の作品は生まれません.ようやくDVD−Rを焼く窯も良いものが揃ってきましたが,残念ながら良い土はまだまだ高いのが現状ではないでしょうか.また,窯と土には最も大事な
「相性」があります.この相性にはDVD−Rの規格の問題もありますので,そのへんからナゾを解いていきましょう.

規格

まず,DVD−Rメディアの規格ですが,主なものとしては次の3つがあり,現在DVD Forumによって設立された DVD FLLCによって管理されているようです.CDの時と同じように何々ブックという形で規格があります.

・DVD FLLC(DVD Format/Logo Licensing Corporation)のサイト
 http://www.dvdfllc.co.jp/

・DVD−Rの規格に関するブック

 1. DVD-R (3.9G) Book
 2. DVD-R for General Book
 3. DVD-R for Authoring Book

このうち,1.の3.9GBは1997年のもので,古いDVD−ROMドライブなどでDVD−Rをサポートしているものはこの規格止まりの場合が多く,
現在主流の2.の規格のDVD−Rメディアが再生できません.

※よくDVD−Rをサポートしているはずなのになぜ読めないのか?という時はドライブが古くて,古い規格のDVD−Rしか再生できないのです.(PowerMac G4 AGPなどで採用されていたDVD−ROMドライブなど,初期のDVD−ROMドライブがこれに相当します)また,古い規格のDVD−Rで焼かれたメディアはほとんど見かけることはありません.2000年以前にDVDタイトルを作るためにテスト用に作られたものなどでときたま見かける事がある程度です.

3.のAuthoringは業務用の規格で,インタラクティブなDVDVideo作品を作ったりするシステムでの,動作確認やマスターを作るために用いられます.

つまり,現在DVD−Rの規格として一般に
広く普及しているのは2.のDVD-R for Generalという規格になります.

この規格は,現在 DVD-R for General Version 2.0 という規格名が正式なもので,これは1倍速のDVD−Rのフォーマットを規定しています.また,この規格の上に4倍速の規格が追加されたのが2002年8月の事で,DVD-R for General Version 2.0 / 4X-SPEED DVD-R Revision 1.0 という長ったらしい名前になっています.

というわけで,規格としてのDVD−Rには1倍速と4倍速がある事になります.
「あれ? 2倍速は規格として制定されてないの?」というツッコミは正しいです.実際にフォーラム等でも議論されたようですが,DVD FLLCのサイトを見ますと "2X DVD R Discs are not approved by DVD Forum. "という記述があります.つまり規格としての2倍速DVD−Rメディアというのは認められていないのです.

※ドライブメーカーやメディアメーカーでの対応がまちまちになって,2倍速メディアが2倍で焼けたり焼けなかったりというのは,規格として定まっていないからというのが原因です.(逆にこの対応の違いのために,規格として後追いで承認する事すら出来なかったというのが実態かもしれません)

というわけで,
規格として存在するのは1倍速と4倍速のみという事を知っておいてください.

記録の仕組み

DVD−Rで情報を記録する仕組みをご存じでしょうか.回転するメディアのドライブ側からレーザー光線を当てて熱してすぐに冷やす事で,メディアに塗布された色素が
相変化という一種の化学反応を起こします.光の反射率が変わりそれをコンピューターの情報の基本である0と1の状態として記録していきます.

市販されている音楽CDやDVDの映画などのソフトでは,情報の0と1は実際にピットと呼ばれるくぼみが物理的にあって,そこに再生する際にレーザー光線を当てて反射率の違いにより情報を読みとります.反射率の違いで情報を読みとるので,市販のDVDとDVD−Rでは記録の仕組みは違っても
同じドライブで情報を読みとる事ができるのです.

丁度良い焼き具合と焼き込み速度

DVD−Rの焼き込みのポイントとなるのは,焼き込む時のレーザー光線の強さ(
レーザーパワー)と反応するメディア側の色素の感度になります.このへんはカメラの絞りとフィルムの感度(400とか100とかISO値がパッケージに書いてありますね)と似ているところです.

仮に非常に感度の良いメディアがあって,そこに強いレーザーパワーを持つドライブを使って焼いたとしたら,焦げるまではいかないまでもメディアに焼き込みすぎてしまうでしょうし,逆であればうまく0と1の情報を書き込めないかもしれません.
また,焼いたメディアを別のドライブに持っていって再生するとした場合,再生時のレーザーパワー(焼く時よりは出力は小さくなります.読みとるのが目的ですから)によっては情報が読みとれずにエラーになるかもしれません.


図)映像がこんなふうに見えるわけではありませんが(^^;

実際にメディアメーカーの使用している色素は様々ですし,ドライブメーカーも製品によって,いや個体ごとにレーザーパワーはまちまちになっています.1倍速ではこれはまさに相性となって跳ね返ってきます.ドライブとメディアの相性はこれによって起きてきますし,実際に粗悪なメーカー品ではまったく使えないような事がおきてしまいました.

適正な焼き込み,適正な読みとりの為に何か方法は無いのでしょうか?

2倍速の混乱

メディアメーカーは,ドライブ側に「これくらいのレーザーパワーをかけて焼いてください」という推奨値を持っています.これが
ライトストラテジ(焼き込み方法)というもので,各社が2倍速のメディアや2倍速のドライブを出してきて,この方法によって適切な焼き込みが行われるように工夫を始めました.

ところが... ここが問題なのですが,このライトストラテジを
どっちが持つのか? ドライブ側か? メディア側か? 2倍速の時点ではドライブの中のファームウェアに,メディアのID,ライトストラテジを持つ事で対応する事になったのです.つまりドライブメーカーが検証してOKなメディアのみが2倍速で焼かれ,また1倍速のメディアも適切なレーザーパワーとなるようになりました.これが,ドライブサイドでのベリフィケーションと呼ばれるもので,ドライブのファームウェアの中に登録されたメーカーIDが無ければ「その他のメディア」として扱われる事になり,本来そのメディアが持っている能力を最大限活かしきれない状況が発生したのです.(これは主に台湾メーカー製のメディアが該当します)

つまり,あるドライブでは2倍で焼ける,また適切なレーザーパワーで1倍で焼けるメディアが,別のドライブでは生焼けになって読みとれないという事が起きるのです.ドライブメーカーがファームウェアをアップデートしてくれて,ベリフィケーションしてくれるのを待つしかありません.

このへんの混乱(ドライブ側でライトストラテジを持つ)が,規格として2倍速が承認されなかった原因かもしれません.

※ドライブメーカーによっては,ファームウェアのベリフィケーションにおいて「その他のメディア」としてしまう条件を,「登録されているメーカー以外」ではなく「特定の粗悪なメーカー品のみ」としている場合があり,その場合は2倍で焼ける条件が大幅に緩和されている事になります.(残念ながらマックのSuperDriveの主力であるPIONEER製は前者になります)

4倍速の規格化

一方,4倍速の規格"DVD-R for General Version 2.0 / 4X-SPEED DVD-R Revision 1.0"を思い出してください.この規格では,
ライトストラテジはメディア側が持つ事が規定されています.つまり,4倍速ドライブでは必ずライトストラテジーを読みに行って,そのストラテジーで焼くという事になりますから,これまでのような相性問題はぐっと減る事になります.

メディア側も4倍速のメディアは1倍の時,4倍の時と2種類のIDとライトストラテジーを持つようになっています.間違いなく,これから先は4倍速が主流になり,こうした相性の問題が減っていく事になると思います.


図)2倍速と4倍速のライトストラテジの扱いの違い

現在のドライブとメディアの関係

文章を読んでいると,なかなか理解するのが難しいですね.ちょっと表にまとめてみることにします.

2倍速対応のドライブ
4倍速対応のドライブ
2倍速メディア ドライブ側ファームウェアで対応.メーカーIDがある場合に2倍速として焼ける場合とドライブメーカーによっては,特定の粗悪品ID以外は2倍で焼けるような対応をしている場合もある
マックメムDVD−Rメディアは,前者のドライブメーカーの場合1倍速となり,後者の場合は2倍で焼ける.
4倍速メディア ファームウェアのアップデートにより2倍速まで焼ける.(4倍速のライトストラテジを読み込んで,2倍で焼く)4倍にならないのはドライブのハードウェア性能の限界のため.
4倍速で焼ける

表)メディアとドライブの関係


マックメムDVD−Rメディアの対応

これまでお話してきたように,まだまだDVD−Rメディアとドライブは,まだまだどれでも大丈夫という段階にはありません.残念ながら,マックメムDVD−Rメディアでさえも,
お客様の環境によってうまく行かない場合があります.

実際には,読みとりドライブが古くて,マックメムのメディアに限らずどれでも同じだったりする場合もありますが,お客様にとって使えないという事実に変わりはありません.

そこで,マックメムではこれまでマック用のメモリーの販売で培った相性や保証に関するノウハウをDVD−Rメディアにも活かして,相性チェックDVD−Rメディアによる
お客様の環境でのチェックをお願いし,もしうまく使えない場合は商品のご返品を承る事で,お客様のリスクを最小限に減らせると考えています.逆にこのチェックにパスした場合は,1枚1枚の単位でメディアを保証し,交換もさせていただきます.

以上の内容は,私が窯元で修行して(^^;得た内容ですが,これまでの規格の経緯などについては,当事者ではありませんのでもしかしたら多少の違いががあるかもしれません事をお断りしておきます.もし,明らかな誤りがございましたら,ご遠慮なく私の方までメールをください.

これからも,マックメムDVD−Rメディアをどうぞよろしくお願い致します.


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