大学博物館で植物の研究をしている、遠藤さんのコラムです。
不定期に更新します。

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No.007
星に願いを
5月29日 水曜日



遠藤です。みなさんこんにちは。

今年の11月から12月の間に打ち上げが予定されているミューゼズCという人工衛星を知っていますか?

この人工衛星は地球の近くの小惑星、といっても大きさ500mくらいの惑星なのですが、そこに降りたって、惑星のサンプルを採集し、地球に持って帰ろうという仕事を予定している人工衛星です。

月以外からの星からサンプルを採集し、地球に持って帰るのは世界で初めての挑戦で、サンプルを地球でじっくり調べられるという点からも、画期的な計画だと思います。

そのプロジェクトの中で、「ミリオンキャンペーン:星の王子さまに会いに行きませんか」というキャンペーンが今行われています。

http://planetary.or.jp/muses-c/pc/index.html

インターネットや、はがきで応募すると、自分の名前が刻まれたプレートが衛星の一部となって、小惑星に降り立つというものです。

以前にも、NASAの衛星のカッシニや、のぞみに名前を乗せるというイベントがあり、私は両方とも参加しました。

よく考えれば、単に自分の名前が書かれたプレートが宇宙に行くいうだけのことですが、ニュースでこれらの衛星のことが紹介されるたびに、「私の名前が乗っているんだ」と身近に感じたものです。

しかも、今回は、惑星着陸をするというイベント付きです。

登録は無料ですから、インターネット環境をお持ちの方は、上記のリンクをたどって、参加されてはいかがでしょうか?

今回の募集は100万人だそうです。100万人もいると、家族や、友人と一緒に応募して、離ればなれのところに記載されるのは寂しい、と思う人がいるでしょう。

そこで、今回は、「連名応募」という仕組みがあり、登録するときに一緒にしてくださいと指示すると、ちゃんと隣り合ったところに名前を刻んでくれるそうです。

『星をつかもうと手を伸ばしても、なかなかつかめないかもしれない。
でも星をつかもうとして、泥をつかまされることはありません。』

Leo Burnettの言葉だそうですが、このイベントに応募して、何か、高い目標を心にするのもいいですね。


No.006
愛しのローズマリー
5月20日 月曜日

遠藤です。みなさんこんにちは。
昨日、電車の中で、「愛しのローズマリー」というラブコメディー映画の
広告を見つけました。

http://www.foxjapan.com/movies/shallowhal/shaker.html

私は、ローズマリーが大好きな人のドキュメンタリーなのかと思ったので
すが、それは違いました。ローズマリーというのは、この場合登場人物の
名前のようです。

植物の研究をしていると、いろいろな質問を受けるのですが、ローズマリ
ーで思い出した質問に

「ローズマリーは、どんなバラなのですか?」

というのがありました。

ローズという名前から、その方はバラだと思ったのだと思いますが、結論
から言うと、ローズマリーはシソの仲間で、バラの仲間ではありません。

では、なんで、シソなのに、ローズマリーというのでしょうか?

ローズマリーは英語名ではRosemaryです。

ローズマリーは、英語をそのまま輸入した名前だったことが分かりますね。

ローズマリーの学名は
Rosmarinus officinalis L.といいます。

ラテン語である学名のRosmariusは、Ros + mariusという合成語で、ぞれぞ
れの意味は、ros = 水滴、雫、marius(=maritimus) = 海という意味です。

ですから、「海の雫 = dew of the sea」という意味の名前のようです。

ラテン語で、「海の雫」という名前だったローズマリーは英語圏で
Rosmarius>Rosemaryという風に変化したのではないでしょうか?

さて、どうしてローズマリーは「海の雫」なのか?という謎が残りますが、
「水辺に生えるから」というから、との説をとる本もありますが、
この種は比較的乾燥地に生えることから、ちょっと違うと思っています。

しばらく考えたのですが、ローズマリーを良く観察すると、つぼみの形が、
しずく型で、青みがかっているので、これを「海の雫」にたとえたのでは
ないかと思います。

最近ハーブをお庭で栽培なさっている方が増えてきていますので、機会が
あれば、葉をお料理に使うだけでなく、是非ローズマリーの花や、つぼみ
も観察してみてください。


映画は、ビデオもありますが、仕事が気になって、全部通して見ることが
難しいのと、やはり大画面の映画館で、見たいと思っています。

映画は、最近行っていないので、時間を見つけて、行ってみたいと思います。
みなさんのお薦めはなんですか?

私がもっとも最近見た映画は、「ロッタちゃんと赤い自転車」です。


No.005
はとの「くるっくー」とベランダ
5月13日 月曜日

遠藤です。風薫る5月。みなさんいかがお過ごしですか?

東京の西多摩地方に住んでいる私の家のまわりには、カワセミや、キジ、タヌキなど
のいろいろな動物が暮らしています。

私の家の庭には、カキを植えていますが、そのほとんどは、人間が食べる前に、鳥の
食事となってしまいます。

庭にやってくる鳥たちをよく観察していると、3年くらい前からある決まったハト
が、家の庭に良く来ることが分かりました。

私はそのハトに、「くるっくー」とひそかに名前を付け、特に何をするわけでもない
のですが、かわいがっていました。

今年、我が家では、増築の計画があり、ベランダを壊して、そこに一部屋、温室を兼
ねたテラスを作ることにしました。

大工さんと相談し、さあ、来週から工事というときになって、ベランダを見ると・・・



くるっくー!

なんと、くるっくーは、巣を作っていたのでした。

我が家で、いろいろ相談した結果、くるっくーの子育てを応援することとし、テラス
の工事はくるっくーの子供が巣立ってから、ということになりました。

工事は大工さんの都合もありますから、私は、くるっくーの子育てがいつ頃までに終
わるかを調べて、大工さんに報告しなくてはならなくなりました。

こういうときに、役に立つのは、インターネット。私は、鳥の知識はほとんどありま
せんでしたので、まずは、くるっくーは、なんというハトなのかを調べるところから
はじまりました。

百科事典やネット検索で調べてみると、くるっくーは「キジバト」という種であるこ
とが分かりました。キジバトの抱卵期間は15から16日、育雛期間は14から19
日であること、本来は、木の上に巣を作る習性があり、ドバトと異なり、人工建設物
に巣を作ることは少ないこと、などが分かりました。

さらに、調べてみて初めて分かったことは、ハト類はヒナをミルクで育てるのだそう
です。しかも、雄も雌もミルクを出して、ヒナに与えるのだそうです。ミルクと言っ
ても、ほ乳類のようなミルクではなく、のどの奥にあるそ嚢(そのう)でミルク(ク
ロップミルクとか、ピジョンミルクとか言われます)をつくり、口からヒナにを与え
られるのだそうです。

こうして、私は、くるっくーの「巣使用期間」を約1ヶ月程度と推定し、大工さんに
は、1ヶ月半くらいあとに工事を始めてもらうようにお願いしました。

目下、私は、毎朝ベランダのくるっくーに挨拶してから出かけています。
元気なヒナが生まれるのを楽しみにしています。


No.004
ナツミカンの由来
5月5日 日曜日

遠藤です。みなさんこんにちは。ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか?

まず、ちょっとこの写真を見てください。



5月4日にある植物園で撮影したものです。

この写真を見て、「あれ?」と思った方は、なかなか観察力が優れていると思います。

この植物は、「ナツミカン」です、みなさん1度は召し上がったことがあるのではな
いでしょうか?

私も、初めてみて、あれ?と思いました。花と、果実が同時になっているのは面白い
と思いませんか?

調べてみると、ナツミカンは熟成して、この写真のように黄色くなるには、1年以上
かかるのだそうです。ですから、この果実は去年咲いていたナツミカン、となるわけ
です。

マラソンのさながら周回おくれ、のようですね。

ミカンの仲間はみんなこのように長い成熟というわけではなく、ウンシュウミカン
(普通のミカン)は、今頃花が咲き、11月下旬頃に成熟するので、この写真のよう
に花と果実を同時に観察することはできません。

ミカンの仲間はその由来が明らかでない物が多く、例えば、このナツミカンの原種は
山口県長門市仙崎の海岸に漂着した果実の種子をまいて得られたものだといわれてい
ます。

今でも、その原木は生きており、見学することができます。私も以前、その木を見に
行ったことがありますが、庭にぽつんと植えられていて、塀越しに観察することがで
きました。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/pre-spe/sfuruten/sfu9908/fu990819.htm

仙崎は童謡詩人「金子みすゞ」の故郷でも有名で、みすゞもこの同じ木を見たかもし
れないなどと思いながら、ナツミカンの原木を見上げると、葉の間から漏れてくる日
の光よりも黄色い実がまぶしかったのを思い出します。


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