
大学博物館で植物の研究をしている、遠藤さんのコラムです。
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| No.018 熱い感動と静かな夜 2002 INAS-FID サッカー世界選手権大会 8月19日 月曜日 遠藤です。みなさんこんにちは。 2002年の8月8日から日本が開催国になって、2002 INAS-FID サッカー世界選手権大会 *1) が行われています。 INAS-FID サッカー世界選手権大会は知的障碍者のサッカー世界選手権で、1994年にオランダ初めて開催されて以来、FIFAワールドカップと同じ4年に1度ワールドカップが開催され、今年で3回目です。 知的障碍者の国際的なサッカー大会があるということを私は、全く知らなかったのですが、朝日新聞のニュースサイトで日本で開催されているのを知りました。 8月8日のロシア戦の1−1の引き分け以来、対ポルトガル戦で、0−8。対マリ戦で、0−1と勝ちのなかった日本代表はマリの失格があったので、予選リーグを3位で終了したものの、残念ながら決勝リーグへ進むことはできませんでした *2)。 8月18日からは、決勝リーグとともに、順位決定戦も行われます。日本代表は順位決定戦へと進み、その第一試合は神奈川県の海老名陸上競技場で行われ、私は日本代表を応援に行ってきました。 ![]() 台風13号の影響で対戦相手のメキシコとは雨の中の試合となりました。 こちらのワールドカップは「チケット問題」とは無縁で、入場は無料。 応援席には決して大勢いたとは言えませんが、アットホームで、一体感がある心のこもった応援でした。 応援席を見ると、なぜかビックカメラのはっぴを着ている人が多かったので、どうしてかな、と思いました。 調べてみると日本代表の宮原選手はビックカメラの新宿西口小田急店で働いているのだそうです *3)。きっと同僚が応援に来ていたのだと思います。みな、一生懸命みんなで応援しており、感動的でした。よく出かけるお店に、サッカーの日本代表選手がいるなんて知りませんでした。 ゲームは、私の想像とは全然違って、好ゲームでした。思わず声を上げて応援してしまいました。自分の観戦する前の想像が恥ずかしいほどアクティブでおもしろい試合でした。 そしてホイッスル。3ー0で日本代表は見事に初勝利を手にしました。 ![]() 気がつくと、強かった雨も小雨となり、台風独特の暗く厚い雲の下でフィールドが強いライトに浮かび上がっていました。 次の日本代表の試合は8月21日(水)午後5時から。 東京都町田市にある町田市立陸上競技場で、対韓国戦です。 日本代表の奮闘を期待したいと思っています。 参照サイト 1)2002 INAS-FID サッカー世界選手権大会サイト http://www.inas-japan.org/ 2)試合結果 http://www.inas-japan.org/tournament/result/result.html 3)ビックカメラの新宿西口小田急店で働いている日本代表の宮原選手 http://www.biccamera.co.jp/report/2002_inas_fid/index日本オフィス:〒222-0037 神奈川県横浜市港北区大倉山3-5-11-A No.017 ササの新芽でつくってみよう。 8月14日 水曜日 遠藤です。みなさんこんにちは。 8月も中盤、お盆の季節となりました。この時期、夏休みを取られている方も多いのではないでしょうか? 海や山は、きっとどこもにぎわっていることでしょうね。 私は、今年3回目の「移動教室の植物の先生」として、また山梨県の八ヶ岳高原に行って来ました。 ![]() そのときのことは以前、このコーナーでもお話しました。 毎回違う学校を担当するので、同じ話をしても、生徒によって、あるいは学校によっても興味が違うのがおもしろいところです。 今回の学校の子供たちは勉強の話よりも「植物遊び」の方がおもしろがってくれました。 ![]() これはなんだと思いますか?、そして、なんでできていると思いますか? 正解は「カメ」です。 どうですか?カメに見えますでしょうか?写真の右側がしっぽなんです。 子供たちが作ったんですよ。 そしてそのカメは「ササの新芽」でできています。 作り方は写真を見ていただければ、だいたいわかっていただけると思います。 ササの野原に行くと、ササの枝の一番先端が「すっと」のびている、ひものようなものが生えています。このひものようなものはササの新芽で、将来開いてササの葉となります。 カメを作るにはササの新芽を、引き抜いて、1匹作るには20本程度集めます。 そして、集めたササの新芽の中で、一番長いものを円のように丸めて、その真ん中にもう1本のササの新芽(これはカメのしっぽとなります)と一緒にひもでしばり、カメの骨格を作ります。 本当はこのひもはササの新芽の中で、一番細いものを使うのが「正調」ですが、子供たちにやらせると、力が足りないのか必ずほどけてしまい、せっかく作ったカメが台無しになってしまいます。そこで、今回はビニールテープを細く切ったものを準備して、それを配りました。 残ったササの新芽をカメの骨格にあわせて、Uの字に曲げて、表、裏から差し込んで行き、骨格いっぱいまで編むように差し込めたら、ササの新芽で作った「カメ」のできあがりです。 骨格の両側にはみ出した、ササの新芽をカメが足を出しているようにはさみで刈り込めばもっとそれらしくなります。 私は、小さい頃、近所のおばさんから、このカメの作り方を教えてもらいました。 みなさんは子供の頃、植物をおもちゃにして遊びませんでしたか? ・水をつけた手でもむと石鹸のような泡のでるエゴノキの果実 ・開くと中からおしろい遊びの素になる白い粉の入っているオシロイバナの果実 ・ススキの葉の軸の両側を持って、軸を飛ばす遊び。 ・葛の葉を人差し指と親指で、○を作った中にはめ込んで、上から手でたたくと大きな音のする遊び。 などなど・・・ 学校の帰りなど、私はこんなことをして遊びました。 子供たちの学校の周りには、ササの生える雑木林も、雑草の生える空き地もあるので、子供たちもどれか1つくらいは知っているかと思ったのですが、知っている子供はいませんでした。 でも、こうした遊びに興味がないわけではなくて、教えてあげると、みんな嬉々として遊んでいました。 移動教室で子供たちの学校の帰りの楽しみが1つ増えたら、うれしいですね。 来月、違う学校なのですがもう1回、八ヶ岳で開かれる林間学校に参加する予定です。 子供たちと接する機会は1年を通じてこの林間学校のシーズンだけですので、この時期は忙しくて、楽しくて、そして、シーズンが終わるとちょっぴり寂しくなります。 夏休み、山や、雑木林に行かれることがあったら、「カメ」作ってみてはいかがでしょうか?大人が作っても、楽しいものですよ。 No.016 ロックの文法、島歌の文脈 8月3日 土曜日 遠藤です。みなさんこんにちは。 8月に入り、暑くなってきましたね。私が住む東京では、旅行代理店に行くと夏休み向け旅行パンフレットが所狭しと積まれています。なかでも「夏の北海道」というものと「夏の沖縄」という気温で言うと両極端なパンプレットが最もたくさんの種類、置いてありました。 夏だから、涼しいところに行きたいとか、夏なんだから、きれいな海で泳ぎたいという気持ちになるという理由もあると思いますが、たぶん、長い休みが取れた時「自分の住んでいる所から最も遠い所に行きたい」という気持ちが、北海道や、沖縄に私たちの気持ちを運んでゆくのだと思います。 同じぐらいの観光地があってもでも「夏の青森」とか、「夏の鹿児島」などというパンプレットはほんのちょっとしかないのもその傍証としてあげられるでしょう。 ![]() 私は、何年か前、仕事で西表島に3ヶ月ほど暮らしたことがあります。ちょうど季節は夏で、まさに「夏の沖縄」を体験しました。 沖縄で最も印象的だったのは夜になると、どこからともなく流れてくる「三線(さんしん)」という三味線のもととなった楽器による演奏と、島歌でした。 常に琉球王朝や、薩摩藩に支配、抑圧された歴史を持っているというバックグラウンドと、それが信じられないほどの自然の美しさのコントラストが島歌をさらに美しくしているのだと思いました。 最近、「元ちとせ」さんという歌手が人気だそうです。彼女は奄美大島(鹿児島県)出身で、「その声は、100年に1人」といわれているそうです。 最近、アルバム「ハイヌミカゼ」1) がでたので聴いてみましたが、何となくぴんと来ませんでした。100% の力を出していないというか、声が窮屈で、おさえつけられた感じがしました。 そんなある日、テレビで彼女が奄美大島の民謡大会で優勝した時に撮影されたビデオが流れていました。テレビを何気なく見ていた私は一瞬でその声に引きつけられてしまいました。 CDショップを探してみると、「故郷・美ら・思い(シマ・キヨら・ウムい)」2)という奄美大島民謡大賞を受賞した時の記念CDが売っていました。 ![]() このCDを聴いて、100年に一人の声といわれたその意味がようやくわかったと思いました。 しかし、島歌は歌詞が英語よりわかりにくかったり、島歌の歌詞の意味が重かったりして、消費するように、ファッションのように楽しむ現代の音楽シーンには相容れない音楽だと思います。 一般の人に聞いてもらうには自分の声や歌を一度、土着の部分、いわば「島歌の文脈」を切り離して、「ロックの文法」で音楽を翻訳しなければならなかったのだと思います。 これは日本の島歌だけではなく、ヨーロッパのケルト音楽や、フィンランド民謡なども、世界的に受け入れられるためには「エンヤ」や「Varttina」などのように受け入れやすい形とする必要があるようです。 あのビブラートの効いたハイトーンが「ロックの文法」上で不自然な気がしたのは、島歌に立脚する彼女が捨てることのできなかった「彼女自身」だったからなのではないでしょうか? メロディーや、歌詞は「ロックの文法」で記述することができても彼女の音楽の本来持つ感動の源泉である「故郷・美ら・思い(故郷への美しい想い)」までは翻訳できなかったのではないかと思いました。 元ちとせさんの歌が好きな方には、是非「故郷・美ら・思い」のCDも聞いていただきたいと思います。 きっと新たな発見があることと思います。 1) 「ハイヌミカゼ」元ちとせ、ソニー・ミュージックエンタテインメント(ESCL2320) 、3,059円 http://www.office-augusta.com/hajime/ 2) 「故郷・美ら・思い(シマ・キヨら・ウムい)」元ちとせ、セントラル楽器(C-17)、3150円 (1996年初版(C-5)のあと2001年(C-17)として再発したようです。現在、大手レコード店、もしくは通販 http://www.simauta.net/ でも発売されています) |
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