
大学博物館で植物の研究をしている、遠藤さんのコラムです。
不定期に更新します。
バックナンバーはこちらからどうぞ!
マックメモリー専門店マックメムへ戻るのはこちらからどうぞ!
No.051
星砂と海
種子島で見つけた星砂
6月19日 木曜日
遠藤です。みなさんこんにちは。
さあ、種子島のドライブを続けましょう。
種子島は、周囲を珊瑚礁で囲まれた、大変海の美しい島です。島をぐるっと一週する道路があり、ドライブで水平線を望む風景を楽しむことができます。
お隣の屋久島に比べると道は平坦で、走りやすいです。

ドライブをしていると、海岸にたくさんのサンゴのかけらが打ち上げられている場所を見つけました。
左下の白っぽいのがみんなサンゴのかけらなんですよ。

こんなサンゴがたくさんうちあげられていました
地層も見られますね。この地層は「熊毛層群」(くまげそうぐん)と呼ばれており、柔らかい砂岩(さがん)と堅い頁岩(けつがん)が交互に重なった地層でできています。上の写真を見ると柔らかい砂岩が波で先に削られるので地層がよりくっきりと目立っています。

こんな大きな貝もたくさん落ちていましたよ。
図鑑で調べてみたのですが、6本の突起のある貝は「スイジガイ」というそうです。沖縄では火事を避けるおまじないに使うそうです。
何で火事除けのおまじないかというと、角状の突起が全体で「水」の字に似ているからだそうです。
だから、貝の名前も、「水字貝」なんですね。
サンゴのかけらを拾いながら歩いていると、何か見慣れた砂が・・・

ちょっと写真では見にくいですが、星砂がありました!
平凡社の世界大百科事典を調べてみるとホシズナは「奄美大島以南から熱帯域にかけて分布し,海岸の海藻やイシサンゴなどの表面に群がって付着している。」と書かれていたので、奄美大島よりもずっと北にある種子島にはホシズナはないと思っていました。
砂を持って帰って、細かく調べてみると、星砂の仲間には、いろいろな種があることがわかりました。

Aで示した砂が「ホシズナ」。Bは、星砂よりも一回り大きく、突起も最後まで平行で最後に急に細く終わっているところがホシズナとは違いますね。名前はホシズナよりも大きいので、「タイヨウノスナ」といいます。幼稚園児がよく書く「太陽」に似ていますよね。
残った一つ、ホシズナ、タイヨウノスナと同じグループに属するCはなんていうでしょうか?ホシズナ、タイヨウノスナですから、満月みたいにまん丸の形なので「ツキノスナ」っていうと良いなぁと思ったのですが、調べてみると「ゼニイシ」(銭石)といわれているそうです。
ちょっと実世界じみていますね、和名は学名と異なり、先取権がないので、ゼニイシの名前にこだわる必要はありません。もちろん一般的に呼ばれているこの名前は覚えておくことにして、私とこのコラムを読んでくださっているあなたとのあいだでは「ツキノスナ」っていう名前で呼ぶことにしませんか?
No.050
星砂を観察してみよう
ホシズナと海の炭素循環
6月11日 水曜日
遠藤です。みなさんこんにちは。
海水浴などで、海に行くとよく、こんなおみやげありますよね。

この中に入っているのが「星砂」です。みなさんも、一度くらいはもらったことがあるのではないでしょうか?
ところで、みなさんは「星砂」っていったい何だと思いますか?
沖縄の観光パンフレットを見てみたら、
「星砂は空のお星様の子供たちが、海の大蛇に食べられた亡骸(なきがら)」
という伝説があるんだそうです。星の子供なんて、ロマンチックで物語ができそうですね。
それから、お守りとして「海岸で年の数だけ星砂を拾って持っていると幸せになれる」っていう言い伝えもあるんだそうです。
友人に星砂について聞いてみたら、「サンゴのかけらじゃない?」っていう人が一番多かったです。私も何かの生物の骨格の一部とか、サンゴのかけらだと思っていました。
さて、こんな風に、かわいい風貌の星砂ですが、実はこれ、1粒1粒が1つの生物なんです。
種類としては原生動物。そう、アメーバーの仲間なんですよ。ちょっとびっくりですね。種の名前も「ホシズナ」といいます。生きているときは星砂の星の腕あたりから、仮足と呼ばれる触手を出し、これで、えさをとったり、物につかまったりするそうです。海の中でホシズナが一生懸命サンゴや、海藻にしがみついている姿を想像すると、やっぱりちょっとかわいらしいですね。
星砂は実は生物の殻だったということがわかりました。ではその殻は何でできているのでしょうか?これは、サンゴと同じ炭酸カルシウムでできています。
炭酸カルシウムは化学式で書くとCaCO3と書くことができます。今、地球温暖化で注目されている二酸化炭素はCO2でしたよね、炭酸カルシウムがCaCO3ですから、炭酸カルシウムがたくさん出来ると空気中の二酸化炭素が減りそうな気がしますよね。
私も、ずっと、そう思っていました。しかし、海洋生物学者の友人に聞いてみたところ、むしろサンゴやホシズナが炭酸カルシウムを作ると二酸化炭素が増えるんだそうです。
サンゴやホシズナは炭酸カルシウムの体を作る時に、海の中の炭酸イオン(HCO3-)という物質を使い、海の中に溶けている二酸化炭素を直接使うことはしないのです。炭酸っていうのはみなさんが飲んでいるサイダーやラムネの、あの炭酸と同じ成分です。
サイダーやラムネは二酸化炭素を水に溶かした物なのですが、海にある炭酸は同じ物質でも山にある石灰石(炭酸カルシウム)が溶けたときにできる炭酸なのだそうです。
ちょっとややこしくなってきましたか?
山では石灰石が雨で溶かされるときに二酸化炭素を吸収して炭酸を作ります。
これを式で書くと
CaCO3(石灰石) + H2O(水) + CO2(二酸化炭素) → Ca2+(カルシウムイオン) + 2HCO3-(炭酸イオン)・・・・(1)
そして、海の中でサンゴやホシズナは自分の体を作るときに炭酸を吸収して二酸化炭素を排出します。
これを式で書くと
Ca2+ + 2HCO3- → CaCO3 + H2O + CO2↑・・・・(2)
海の中の二酸化炭素は常に飽和状態にありますので、サンゴやホシズナが排出した二酸化炭素は水に溶けることなく空気中に放出されます。
(1)の式と(2)の式はちょうど反対になっていることに注目してください。
図にしてみると

こんな風になります。
では、山の石灰石(炭酸カルシウム)はどこから来たのでしょうか?それは、サンゴやホシズナの殻が海底に堆積して地球の内部を通って地殻の変動で山になった物なのです。
この地球の内部を通るサイクルは1サイクルが10億年程度であるとされています。
今、私が見ている星砂がまた星砂として戻って来るにはあと10億年くらい掛かるわけですね。
この話は以前、小学6年生向けの講演でお話ししたことがあります。そのあと星砂の含まれる砂浜の砂から星砂を分ける実習を行ったのですが、その時に「年の数だけ・・・」の話をしたらみんな熱中してしまってほとんどの生徒が自分の年以上に星砂を拾っていました。
実習の最後、質問時間の時にある生徒が心配そうな顔をして
「あの、25コ星砂を拾ったのですが・・・」と質問をしてくれたので
「じゃあ、25歳の時に、幸せが来るんじゃないかな?」って答えたら
「うーん。じゃあ25歳で結婚?結婚するのかなっ!」って言っていました。会場が笑いに包まれました。
14年後の彼女が幸せな結婚ができるといいな、と思いました。
No.049
種子島へようこそ
海辺の砂鉄と足跡
6月1日 日曜日
遠藤です。みなさんこんにちは
みなさんは、種子島ってどこにあるかご存じですか?
九州は鹿児島。その右下の半島。佐多岬のちょっと先に浮かぶ小さな島です。
屋久島の隣、といった方がみなさんには通りがいいかもしれません。
先日わたしはその種子島に行って来ました。

海岸線をぐるっとドライブしたのですが、浜に降りてみると場所によって「主に鉱物の砂でできた」浜辺や、「主にサンゴなどの生物の砂でできた」浜辺など、バリエーションが多く、砂浜を観察するだけでも大変おもしろいところでした。
そんな中でも最も私がおもしろかったのは「砂鉄」の海岸です。砂鉄はみなさんも小さな頃、砂場で磁石を使って集めて遊んだ経験のある方も多いと思うのですが、ここ、種子島では磁石はいりません。

この写真の層状に黒くなっている部分、これが全部砂鉄なのです。ですから、砂鉄をとるにはスコップでこの層の部分を上手にとればほぼ純度100%の砂鉄がとれるのです。
砂浜をもっとよく見てみると、こんな足跡がありました。

この足跡、誰のだと思いますか?
足跡が続く先を追っていくと・・・

こんな穴につながっていました。
これはきっと生物が!と思って掘ってみたのですが・・・・

残念ながら結局この穴の主を見つけることはできませんでした。
掘ってゆくと、所々に砂鉄の層があるのがわかりますね。
穴の主人をさがしてこの砂浜をあちこち歩いてみると、あの足跡の主らしい生き物に行き当たりました。

絶対の自信はありませんが、あの足跡を残すためには、左右に複数の足のある生物でないといけないと思います。このカニなら、ちょうどサイズ的にも当てはまると思います。
どのくらい掘ると、穴の主に出会えたのかなと思いながら、次の浜へとドライブは続きます。
|
macmem.com
運営:(有)青い空 店長:猪川紀夫
info@macmem.com
日本オフィス:〒222-0037 神奈川県横浜市港北区大倉山3-5-11-A
電話/FAX:045-543-0998
■当社はオンラインストアーであり、販売形態は通信販売のみです。
■電話でのお問い合わせは受け付けておりません。メールでのみ対応させて頂きます。
■商品の価格・仕様・発売時期等は、予告なしに変更される場合があります。
■このウエブサイトに掲載されている内容を無断に転載することを禁止します。
■このウエブサイトのリンクは自由ですが、事前にご連絡ください。