大学博物館で植物の研究をしている、遠藤さんのコラムです。
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No.092
クリの花から果実へ
クリのトゲトゲ、いがのトゲトゲ
10月16日 土曜日

遠藤です、みなさんこんにちは。

10月になってやっと季節の変わり目を感じられるようになってきましたね。
秋の味覚といえば柿や梨などに並んで栗も有名ですよね。

ところで、栗をじっくりと見たことがありますか?生の栗をお店で買ってくるとこんな風になっています。



ところで、このクリの頭についている
とげとげ、なんだと思いますか?

私は最初クリの「いが」が残ったものかなと思っていました。

そこで、みなさんと一緒に時間をさかのぼってクリの花から果実になるまでを観察して行きたいと思います。



クリの花序(花の集まり)はご覧のように房状(総状)で、雄花と雌花が分かれている雌雄異花です。

どちらが雄花でどちらが雌花かというと先端の方についている花が雄花、根元についている花が雌花です。

雌花を拡大してみると



このようになっており、よく見てみると、青い矢印で示したとげと、赤い矢印で示したとげとの2種類のとげがあることがわかります。

それぞれはどのようなとげなのでしょうか?

花が咲き終わった花序はしばらくしてみてみると花粉を放出し終えた雄花は枯れて、雌花は成長して小さなクリの「いが」になっていました。



その後、だんだん「いが」が大きくなってゆくと

「いが」の先端部が縦に、その後横に割れてクリの果実が顔をのぞかせます。



あれ?クリは「いが」を含めてが果実で、クリの実は種子じゃないのかな?と思った方はいらっしゃいませんか?

クリのいがは雌花を包むように生えた枝の集合であると考えられています。

クリの果実は柔らかい果肉の部分がなく、果肉は薄く堅いフィルム状になっており、こうした果実のことを堅果といいます。

クリの他に堅果をもつ植物にはクヌギやコナラの「どんぐり類」があげられます*)

クリの果実の写真を拡大してみると、矢印で示したトゲトゲの部分、一番最初の写真のクリのとげとげは、クリから「いが」を突き抜けて外に出ており、クリのあたまに付いているとげとげは「いが」のとげとは違うもでした。

このとげは、実は雌しべの先端部だったのです。

青い矢印で示したとげは雌しべで、赤い矢印で示したとげはクリの「いが」になることがわかりました。次の写真で左側の雌花が生長すると左側の果実となります。

左側の青と赤の矢印の部分は成長するとそれぞれ右側の矢印の部分になります。

 

できあがった果実ではその構造がわかりにくくても疑問を持ち続けて若い時期からの発達を調べることで容易にその構造が明らかになるときがあります。

みなさんも少しの時間で結構ですので自分の観察する木を作ってみるとおもしろい発見があるかもしれませんね。


*)どんぐりの場合はクリの「いが」に当たる所は「袴:はかま」と呼ばれるの根元にあるお椀状の部分です。




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