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2004.12.14(火)
第73回 次世代規格とディズニーの台所事情

こんにちは、kyokuchoです。

さて、先日Walt Disney Companyがこのようなニュースリリースを発表しました。

THE WALT DISNEY COMPANY TO SUPPORT BLU-RAY DISC FORMAT

これは、次世代DVD戦争とも言うべき東芝率いる「HD DVD」vsソニー率いる「Blu-Ray」の規格争いで、ディズニーの資産を「まずは」Blu-Rayにてリリースする、と言う内容です。メジャースタジオはほとんどいずれかの支持を発表済みで、実は現在のDVDについても参入は遅かった(参考:「のろい」のディズニーDVD)のですが、今回も流れを見ての発表と言うことになりました。

すでに興味のある方はご存じかもしれませんが、ざっくり言ってしまうと「比較すると少ない容量ながら過去の資産を切り捨てない」HD DVDと、「高容量のためなら既存の規格は切り捨てる」Blu-Ray、と言ってもいいかと思います。しかし、映像を保存するという意味ではDVDでもあまり気にならない(もちろん映画ファンにとっては高画質であればあるほどいいと思いますが)程度。そうなるとこれは何を意味するのでしょうか。

特にディズニーだけに限って言うと、実は過去の資産をいままでにないスピードで「消費」していると言う事実があります。ディズニーがいままで持っていたコンテンツの主なものはご存じの通り「長編アニメーション」がメイン(実写ももちろん多くのコンテンツがありますが)。DVDリリース開始後、新作アニメーションのリリースは毎年1本程度行われてきました。それ以外のクラシック、たとえば白雪姫やファンタジアなどの作品について、いままではどのようにリリースしていたかというと、期間限定リリースという形を取り、いったんリリースした作品は相当の期間を空けないと再びビデオリリースが行われないと言う形態を取っていました。これは、アメリカではこのようなむかしの作品でも映画館にて定期的に再上映していた、ということが理由としてあげられます。ビデオでリリースしてしまうと、再上映しても見に来る人がいないと考えたのでしょう。

しかし、DVDに参入を発表し、しばらくするとディズニーは過去の資産をほぼ全てDVD化します。いま時点では「バンビ」や「シンデレラ」以外のほとんどの作品がすでにリリースされ、大人気を博しています。この転換には、やはりマイケル・アイズナー氏がまもなく退任すると言うことが関係しているのではないかと私は考えています。在任中の売り上げを確保するには、いまだに価値が衰えないコンテンツの在庫全てを売り出してしまうことが一番簡単だからです。ただ、メインのタイトルを売り切ってしまったあとはどうなるでしょうか。毎年1作品程度しか新作はリリースできない状況で、かつ、その頼みの綱もこのところ不作続き・・・このままでは、DVD売り上げはどん底です。いまはかろうじてピクサー作品が驚くほどの大ヒットだったり、意外なほどにブラッカイマー作品(パイレーツ・オブ・カリビアンや、いまアメリカで公開されているナショナル・トレジャーなど)がヒットしていることで、構造上の問題は見えにくくはなっていますが・・・。

そこで、この次世代DVD。ディズニーはこれにより「ほっとしている」のではないかと推察します。Blu-RayにしろHD DVDにしろ、同じタイトルでもう一度おいしい思いをすることが出来るからです。過去リリースした作品のうち、目玉となるような白雪姫やピノキオなどは、一こま一こまをスキャンし、丁寧にレタッチを施す気の遠くなるようなリストア作業をDVDリリース前にすでに行っており、おそらくこの画質は次世代DVDでも遜色ないものになっているはずです。となると、いままでにかけたリストアの資産も有効活用できるとなると、どちらでもいいから早くリリースしてくれ!と言わんばかりなのではないでしょうか。(しかも、Disneyはじめ多くのスタジオは、それぞれ支持している以外のフォーマットについてもリリースしないとは言ってません)

ただ、これが思惑通り行くかどうかは疑問です。もちろん、LD時代から同じ事を繰り返してしまっているマニア(私含め・・・)は買ってしまうと思いますが、一般的な人にとってはDVDで満足しているんじゃないかと考えています。個人的な希望としては、どちらのフォーマットでもかまわないので、「次次世代のフォーマットが出てきても再生環境がある」ということを保証してくれないと本当に困りますね。幸い、DVDはPCでも利用されているので、LDと同じ道にはならないことだけは保証できているのですが・・・なんにせよ、マニアにとっては嬉し悲しい悲鳴をあげるしかありません。

では!
(kyokucho/宮田 健)


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