
GMしらいしが、CD棚からiTunes棚に移した音楽のコラムです。
極私的な内容で、不定期に更新します。
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Apple IIIにも似た混乱と試行錯誤の時期 マックメムGMのしらいしです. 1970年の年末に発表されたキング・クリムゾンの3枚目のアルバムです. 前作 "In the Wake of Poseidon"からわずか数ヶ月の間に制作されています. このアルバム自体は評価もあまり高くなく,これが一番好きだという人にお目にかかった事は無いのですが,クリムゾンの最も大激変の頃に制作されたアルバムである事や, ジャージーなフレーズが多く出てくる点で押さえておきたい作品です. また,このアルバムにはイエスのジョン・アンダーソンが参加して歌っているところもマニア心をくすぐる点でもあります. 前作の制作時にオーディションを受けたメンバーが正式にメンバーとして演奏しています.中でもキーボードのキース・ティペットのグループから多くのメンバーが参加しており,コルネットのマーク・チャリグ,トロンボーンのニック・エバンス,オーボエのロビン・ミラーなどのウインド&ブラス隊がアルバムのシンフォニックな部分に貢献しています.また,前作で演奏が叶わなかったドラムスのアンドリュー・マックロック,一曲だけの歌唱にとどまったゴードン・ハスケル,凄まじいテクニックをいきなり見せつけたフルート&サックスのメル・コリンズ等を含めると,総勢10名のバンドメンバーがクレジットされているのがこのアルバムです. 一言で言えば,ロバート・フリップは新たな試みにチャレンジし,うまくいったところもあればそうでないところもある,ある曲は,従来のクリムゾン的な音世界であるし,ある曲はジャージーなインプロビゼーション,またあるところはシンフォニックロック的な作り(意見が分かれるでしょうが,フロイドの原子心母的なもの)で,「クリムゾン・キングの宮殿」の圧倒的なパワーと比べると,どうしても薄味で,少なくとも統一されたエネルギーは働いていないような気がします. 個々の演奏で,一番目立つのはメル・コリンズのサックスでしょうか.元々ブルースが好きである事もあり,おどろおどろしくもあるフリップのギターとリズム隊の上でフリーに演奏するそのサックスの音は,独特のクリムゾン・サウンドを作っています. 歴代のクリムゾンには,こうしたウインド奏者(それも極めつけのテクニシャン)が必ずいます.のちのアルバムで触れようと思っていますが,ロバート・フリップの極めて男性的なギター(ある意味暴力的ですらある)と対になる,叙情的で女性的な楽器が必ず必要だったのかもしれません.その二つのアンサンブルが不思議さを持ったクリムゾンのサウンドでもあり,コントラストとして聴く者に強い印象を与えているのは間違いないと思います. 一方,詩の世界についてなのですが,デビューアルバムからずっと作詞を担当しているピート・シンフィールドの最高傑作という呼び声のあるのが,実はこの"Lizard"なのです.ただ,私のコラムではこれについては深く語れるだけのものがありません.残念ながら私も含めて日本人の多くは,洋楽をサウンドで聴き,その言葉の意味を深く考えていません.実はクリムゾンを含めて,プログレ系アーティストの世界は詩まで含めて味わえるものなのですが,訳詞では原詩のもつ韻の部分などがさっぱり分かりませんし,ここは語学力不足を嘆くのみです. クリムゾンの歴史年表から見ると,次作の"Islands"の期間まで一時としてメンバーは固定されておらず,次々とメンバーが入れ替わっています.この"Lizard"も例外ではなく,アルバム完成後,再びメンバーが,それも大事なリズム隊が総入れ替えになってしまうのです.アップルの年表と重ね合わせると,この時期はApple IIIの時期と重なるのかなあと思えます.(Apple ][eや][cではありません)混乱と試行錯誤の時期ですね. じゃあ,Macintoshはどのアルバムか? これはまた難しいのですが個人的な思い入れとしては*アレ*なので,それはまた*ソノ*時に... |
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