マックメム大坂の特別レポート
HDDちょっとイイ話
今回は、HDDの中身話し
ハードディスクって、どんな構造なの?

東京サービスセンターの大坂です。

今回はHDDのちょっとイイ話というお題で、少しHDDについての知識を私と一緒につけてみませんか?
結構技術的で難解な話になってしまいますが、できるだけ噛み付きやすい様に柔らかく書いてみます。

#1 HDDの構造を考えてみよう
ハードドライブとかHDDとかHD等と読んでいるハードディスクですが、内部の構造と言うのは比較的簡単な構造になっています。

基本的に非常に大きく分けると5つ位にわける事が出来ます。
1、記録ディスク部分(プラッターと呼んだりもします)
2、読み書きを行なうヘッド部分
3、記録ディスクを回転させるモーター部
4、ヘッドを稼動させるステッピングモーター部
5、コントロール基盤
この様なおおまかな部品構成となっています。

この部品構成で、高容量化に一番貢献しているのが1の記録ディスク部(プラッター)の1枚当たりの容量であると、言えると思います。(追記:正確に表現するとプラッターだけでは無くヘッドの構造やステッピングモーターの精度等の要因も多いに関係しているのではありますが、ここでは単純にプラッターの容量と言う表現をしています。)

最近の3.5インチのHDD(一般的にデスクトップ機に使用されます。)の場合、このプラッターを3枚(ないし4枚)使用するモデルが一番容量が大きい物として売られているかと思います。
極最近、このプラッター1枚当たりの容量が40GBの物がでてきたのでHDDドライブ1台で120GBや160GB等という、これ迄では考えられない様な高容量のHDDが出回ってきています。
当然の事ですが、2.5インチのHDD(主にノート型のモデルに使われます。)用のプラッターも同じ様に高容量化してきていますが、残念ながら物理的に3.5インチよりも小さいため3.5インチと同様の容量を実現するには、更に高密度で書込むための技術が必要となります。
また、どうしても2.5インチのHDDは「小さくする事」に金額がかかっていますので同じ容量でも買う時の値段が高くなってしまうのは仕方の無い事です。

#2 流体軸受けってなに?
最近良く「流体軸受け」のHDDを好んで購入される方が増えてきました。
確かに非常に静かなHDDなのですが、購入された方の中には「まだ、ガリガリガリガリいってうるさい」とおっしゃっている方もいらっしゃる様です。
そうですね。確かにその「ガリガリ音」は、耳についてうるさいですよね。

この「ガリガリ音」は何処から来るのでしょう。

この音の元凶は、実は読み出しと書き込みに使う「ヘッド」を移動させる時に発生しています。
この音は、ステッピングモーター(正確に回転位置をコントロール出来るモーター)が動作する時に、モーター自身とそれ以外の可動部分から音が起きています。
このモーターの回転させる為の台になる部分に今迄ですとボールベアリングが使われていました。
ボールベアリングですとどうしても可動部分が多くなるために小さいですが騒音が出る訳です。
そこで、この軸を受ける為に液体(シリコンオイル等の蒸発しないで滑りの良い液体/非揮発性高潤滑性を持つ液体)を使用したら、軸受けの為に可動部分が増えないし、騒音も少なくなるのではないかと言う事で実用化されました。
案の定、このもくろみは成功いたしまして昔のハードディスクで高回転のモデルは、ジェットエンジンが起動する時の様にキーーンと高周波音がなっていました。これは、プラッターを回す為の軸受け等が共鳴して非常に高い音がしていたわけです。これに比べて、流体軸受けのハードディスクというのは、このプラッターを回す部分の軸受けを流体軸受けにしたため、高周波音がならなくなり非常に静かになった訳です。
同じ様にヘッドの可動部分軸受けにも利用されているとは思いますが、どうしても可動部分が多い為カリカリやガリガリ等細かい音がする訳です。

流体軸受けのHDDの一番の消音化された部分は、プラッターを回転させる部分の回転音が静かになった事が一番大きいです。流体軸受けになったからといって、完璧に音が無くなる訳ではないのです。

#3 高回転のハードディスクは本当に速いの?
いや、偽りなく本当に速いんです。
本体がかなり低速だと、体感できないくらいハードディスクの高速性を生かせないくらい高速なのですが実際どれだけ違うかと言うのは、実際に使って頂かないと分からないかも知れません。
ちょっと微妙な表現になってしまうかも知れませんが、古い機種の内蔵のHDDを最新の速いハードディスクに載せ替えただけで、体感的には2割加速!といった感じで受け止められるかと思います。
一つ一つのアクセスが例えば遅い時に比べて90%の時間で処理出来る様になったりする訳です。
たった10%ですが、アクセスの度に10%ですから、「塵も積もれば...なんとやら」で、結果的に処理が速く終わる訳です。

ハードディスクの回転数は、アクセス速度の全てに影響してきますので、特にOSXをお使いの場合は、ハードディスクのアクセス頻度が高い(特に実メモリーが少ないとなおさらですが、実メモリーが多い方が動作そのものが速くなるのはお分かりになりますでしょうか)と、この恩恵を十二分に受ける事が出来ます。

#4 ハードディスクのキャッシュは多ければ多い方が良いの?
これは、システム標準のディスクキャッシュやCPUの2次キャッシュや3次キャッシュの容量の説明と同じ様な解説になってしまうのですが、残念ながらキャッシュ容量が大きければ大きい程良いという事ばかりでもないのです。
「キャッシュ」といっているだけあって「事前にアクセスのあったデータを一時的に保存しておく」為のメモリーになります。
当然ながら、このメモリーが増えれば増える程、非常に単純に言いますと高速になっていく訳では有りますが実際問題としてキャッシュメモリーは高価なのでそれほど多くは積む事は有りません。

実際問題としては製造メーカーが判断する事なのですが、キャッシュを増やす事による性能向上するのがある一定の容量を超えると向上するが、向上率が低くなりはじめる分岐点の様な物が有ります。
これを指標にしてキャッシュ容量を決定している訳です。

ハードディスクの何処にどんなデータが保存されているという情報(これを「ディレクトリー情報」といいます。)は基本的に1ケ所にまとまっています。
キャッシュメモリーが無いと、いつもこの情報を読みにいかなくてはならない為、ヘッドの移動が非常に多くなります。この移動をしない様にすると連続でデータが読める様になりますから、実際の速度が向上します。

プラッターが1枚しか無いハードディスクだと、この情報が有る場所と実際のデータが有る場所が遠い事が多いのでヘッドの移動時間分読み込みが遅くなります。
結果として、ある程度キャッシュの容量が無いと直ぐキャッシュからディレクトリー情報が無くなってしまいます。この為、十分な高速化をする為にはかなり大きなキャッシュ容量が必要となります。

逆にプラッター数が多いハードディスクだと、仮にキャッシュが無い状態でも実質的なヘッドの移動距離自体が短くなる傾向に有るので、同様のキャッシュ効果を得るには、比較的少ないキャッシュ容量で済むと言った事も有るわけです。

#5 たとえば40Gと48Gだと8Gしか違わないのに価格が結構違うの?
これは、「ドライブの世代」が違う事が一番大きい問題です。
40GのHDDはもしかしたら、40Gのプラッター1枚で作られているかも知れません。
でも48Gはもしかしたら24Gのプラッターを2枚使っている、40Gモデルとくらべると前の世代のドライブと考えられます。
前の世代のドライブなので、限界迄値段が下がっているのかも知れないので価格が48Gの方が安いと言った現象が起きる事が有ります。
別にドライブの世代を気にしないのであれば、1つ前の値下がりしたモデルは、自分の要求している容量に合致するのであれば、かなりお買得では無いかと思います。

#6 ファイルの断片化ってなに?
良く聞かれる言葉の「ファイルの断片化」ですが、どうして起きるのでしょう。
これはコンピューターの補助記憶装置への保存の方法が大きな原因では有ります。
補助記憶装置なんて難しい日本語で書きましたが、要するに本体のメモリー以外にデータを保存するものを指しています。本体のメモリーは電源を切ってしまえば消えてしまいますが、一部の補助記憶装置を除き電源が供給されなくなってもデータを保持できます。
(一部と言うのは、RAMディスクが代表例ですが、これは電源供給が無くなると本体のメモリーと同じ物で作られていますから、データが消えてしまいます。)
では、この記憶装置(と、言っているのもなかなか慣れないのでここではHDDに特化して以下HDDと記載します。)へのファイルの保存方法ですが、HDD全体の何処にデータが書込まれても大丈夫な様に、ファイルにはそのファイルが使っていると言う情報を書込むメモ帳の様な物が有ります。
これが、俗に言われている「ディレクトリー」と呼ばれるファイルです。
たとえば、10リットルの水(ファイル)があったとします。 コンピューターが、この10リットルの水(ファイル)を格納するには、倉庫(HDD)入れなければならない訳ですね。
でも、倉庫(HDD)への入庫が、1リットルの升でしか受け付けない(HDDの最低容量単位)という規定が有るので、1リットルの升に10個分分割して入れる訳です。当然この分割したものには荷札(どのファイルのデータかが記載されています。実の所この荷札の大本は一元管理されているディレクトリーに記載されているので、これが壊れるとファイルにアクセスできなくなります。)がついているので誰のものなのかは、管理されているわけです。
(もう一つ、この荷札以外に升毎に繋がりの書かれた情報が書き込まれているので、ノートン等はこの情報をもとに大本のディレクトリーを再構築する事ができるわけです。)
倉庫では、この升の水を入れ直すと言う事自体が発生しない限り一度格納した場所にある訳です。
入庫の数(ファイルの容量)が全くいつも同一なのであれば、前回出庫した所にそのまま納めれば良い訳ですが、当然この倉庫に入荷する、または出荷する個数と言うのはいつも違う訳です。(いつも同じ大きさの書類しか作れないと言う事は無い訳ですよね。)
そうすると、何時の間にか連続で棚を使っていたのが、いつしか細切れに10個の物が3個と2個と5個と言った風に棚の格納している場所がごちゃごちゃになる訳です。
これが断片化した状態と言う事になります。

#7 最近主流のATAのハードディスク、「マスター」「スレーブ」ってなに?
これもまた、ハードディスクの増設の際に良く聞く言葉ですね。
今となっては旧世代のSCSIが標準だった頃のハードディスクには、SCSI接続の機器の番号として「ID」を「0から6」の範囲で番号を重複しない様に振ってあげないと動作しませんでした。
これが、ATA接続になりますと1つのバス(または、チャンネルともいいます)に2台迄しか接続できない規格になっておりまして、この2台を差す言葉として「マスター」と「スレーブ」と呼んでいます。

通常、ハードディスクが1台だけ接続されている場合は、「マスター」に設定されています。
ここに、ハードディスクを増設する場合は、増設する側のハードディスクを「スレーブ」に設定する必要が有ります。これをもし、「マスター」のまま接続した場合は、どちらのハードディスクも正常に認識されずに、ハードディスクが接続されていないのと同じ状態になります。
増設の為に用意したハードディスクはおろか、もともと接続されていたハードディスクも認識されない場合は、まず、増設したハードディスクの設定が「スレーブ」に設定されているかを確認しましょう。
(本来は、マック本体内部で使用されていたSCSI(SCSIまたはSCSI-2)のID番号として有効な番号は0から7迄なのですが、ID:7はマック本体のID番号として固定的に使用されていましたので0から6迄と説明いたしました。)

#8 最近聞くBigDriveって何?(ATAハードディスクの容量の限界ってなに?)
ハードディスクの増設の際に大きな容量のハードディスクを探していると聞く言葉ですね。
その昔IDE(ATA)の容量の限界として「528MB」という容量が限界になっていました。
これをディスクの特定のアドレスを示す領域を拡張した事で、解決した訳です。
ただ、この時に解決した次の限界が「8.4GB」だったわけです。
規格が改定されてから幾年も時間を経た訳ですが、技術の進歩と言う物は衰える事を知らず、あっという間に次の限界である「8.4GB」に辿り着いてしまった訳です。
前回と同じく、またハードディスクの特定のアドレスを示す領域を拡張した訳です。
この時拡張したことにより限界を約16倍の容量に迄拡張する事が出来た訳です。ですが、更に高密度化が進みまして、この限界をも超えようとしています。
この拡張の限界の容量が「137GB」なのですが、デスクトップ機でいきますと最新のPowerMacG4(MDD)以前のATAインターフェースを持ったマシンですと、この限界に縛られる事になります。(当然、本体を出荷されていた時に、こう言った次期規格は正式に規定があった訳では有りません。)

この137GBの制限を超えた製品を「BigDrive対応」と唱って販売しています。

このハードディスクを搭載する際の制限を受けない為には、「BigDrive対応」のATAカードや、FW接続等の外付けケースを利用する事によって、制限を超える事ができます。
ただ気をつけなくてはいけないのは、この制限はHDDの物理的な接続に関係する事でして、OSがそれをこえる容量をサポートしているのであれば、全く問題なく137GBを超えるハードディスクの領域を利用する事が出来ます。

#9 最新のハードディスクはキャッシュが大きいのは何故?
最近になって発売された(もしくは発表され発売を予定している)ハードディスクは、高速タイプに属するモデルは、キャッシュ容量が以前の物と比べて倍になっている物が出てきています。
前に、キャッシュ容量は多ければ多い方が良いがある容量以上になると向上する性能にかげりが見られると言う事を説明いたしました。
では何故新しいモデルは、そんなにキャッシュ容量が大きくなったのでしょう。
簡単にいってしまえば、従来のキャッシュ容量では性能向上に限界が有り、ディスク自体の読み込み速度が大幅に向上した事をカバーする為にキャッシュ容量を増やしたということになるかと思います。
以前は8MBで大丈夫だったものも、プラッターの高容量化のおかげで更に実質的な読み書きの速度(これにはヘッドの移動距離も関係してきます)が向上した為、これを補う(というよりは更に上を目指す)べくキャッシュ容量を倍にしたと考えられます。
2003年02月現在、PowerBookに使われるハードディスクで純正採用はされていない物の現在最高速度のハードディスクと言われているモデルは、キャッシュ容量が16MBになっています。
これから出てくる高速タイプのモデルは、この容量が標準になってくるのでは無いでしょうか。

まだまだ、いろいろ有るのですが、今日はこの位で.....
近日少しずつ更新します。

最終更新:2003年02月28日 0:31

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